パン屋の食品ロスはなぜ起きるのか?「当日売り切り」という構造

パン屋の食品ロスはなぜ起きるのか?「当日売り切り」という構造

パン屋の食品ロスの多くは、誰かの怠慢からではなく、業態そのものが持つ「当日で売り切る」という前提から生まれていると私たちは考えています。焼きたてを追い求めるほど作り置きがしにくくなり、需要を読み違えた分がそのまま廃棄になってしまう。この記事では、実店舗でパンを焼いてきた立場から、食品ロスがなぜ起きるのかという構造と、冷凍という技術がその前提をどう変えられるのかについてご紹介します。

なぜパン屋では「当日で売り切る」ことが前提になるのか?

パンは、焼き上がった瞬間からゆっくりと風味や食感を失っていく食品です。翌日まで置いておけば同じように売れる、というものではなく、香りが立ち、皮がパリッとしている「焼きたて」の状態こそが一番おいしいタイミングだと私たちも実店舗で日々感じています。だからこそ、パン屋は焼いた分をその日のうちに販売しきることを前提に、日々の製造量を決めています。ただ、この前提には裏側があります。その日の天候やイベントの有無で需要は変動し、予測が外れれば、売れ残った分は翌日には焼きたてとして提供できず、廃棄せざるを得なくなります。焼きたてを大事にするほど、実は廃棄のリスクも抱え込みやすくなる、というのがこの構造の本質だと考えています。

食品ロスとは何か?

食品ロスとは、本来食べられる状態であるにもかかわらず、様々な理由で廃棄されてしまう食品のことです。パン業界に限らず、食品を扱う多くの現場が抱える課題として知られています。ただし、私たち自身の廃棄量やその削減率について、具体的な数値を現時点でお伝えできる段階にはありません。ここではあくまで、パンという食品が構造的に抱えやすい課題として書いています。

冷凍という技術が、その前提をどう変えるのか?

私たちがセントラルキッチンで取り入れているのは、焼成度合いを約8割まで進めた時点で焼き上げを一度止め、−40℃で急速冷凍するという方法です。この状態のまま冷凍保存で60日以上ほど品質を保つことができるため、焼いた日のうちに売り切る必要がなくなります。ご家庭にお届けした後は、トースターで約5分焼き戻していただくことで最後の仕上げの焼成が進み、焼きたてに近い状態に仕上がります。つまり「焼きたてを当日で売り切る」のではなく、「必要な時に、必要な分だけ焼きたてに仕上げる」という順番に変える。これが、私たちがこの技術に見ている意味です。

「当日で売り切る」前提と、冷凍という選択肢がある場合の違い

当日売り切りが前提の場合と、冷凍という選択肢がある場合とで、製造や販売の考え方がどう変わるのかを表にまとめました。

項目 当日で売り切る前提 冷凍という選択肢がある場合
製造量の決め方 その日の需要予測に依存する 計画的に製造し、必要な分をお届けできる
売れ残った場合 翌日には焼きたてとして提供できず廃棄になりやすい 冷凍保存で60日以上、必要な時までお届け可能
焼きたてが完成するタイミング 焼いたその日 ご家庭でトースター約5分焼き戻す時

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」との関係

国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」は、限りある資源を大切にしながら、生産と消費のあり方全体を見直していこうという目標です。食品ロスの削減も、この目標が扱う範囲に含まれています。私たちが−40℃の急速冷凍という方法を選んだのは、もともと「焼きたてに近い状態をどうお届けするか」だけを考えた結果でした。ただ、結果として「当日で売り切らなければならない」という前提が外れたことは、目標12が目指す方向性と重なる部分があると考えています。私たち自身の廃棄削減の実績や数値については、現時点で具体的にお伝えできるものはありません。

まずは1個、試していただきたい

初めての方には、初回お試しセット(¥1,980・全9個・送料無料・お一人様1回限り)をご用意しています。単品は1個85円からご購入いただけます。焼いた当日に売り切る必要がないからこそ、気になったタイミングでまず1個、私たちのパンを試していただければと思っています。パーベイク(半焼成)という製法についてはパーベイクとはのページで、私たちがこの形にたどり着いた経緯は物語ページでご紹介しています。

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よくある質問

なぜパン屋では食品ロスが起きやすいのですか?

パンは焼きたての状態が最もおいしく、時間が経つほど風味や食感が落ちていく食品です。そのため多くのパン屋では、焼いた分をその日のうちに売り切ることを前提に製造量を決めており、需要予測が外れると売れ残りが廃棄につながりやすい、という構造があります。

冷凍することで食品ロスの何が変わるのですか?

焼成度合いを約8割まで進めた時点で焼成を止め、−40℃で急速冷凍することで、冷凍保存で60日以上ほど品質を保つことができます。これにより焼いた当日に売り切る必要がなくなり、需要に応じて計画的に製造しやすくなります。

食品ロス削減について具体的な実績はありますか?

現時点で、廃棄量の削減率など具体的な数値としてお伝えできる実績はありません。私たちが取り組んでいるのは、焼いた当日に売り切る必要がない仕組みをつくることであり、その先の広がりについても今後ご紹介していきたいと考えています。

文: 鎌倉ベーカリー(焼きたてジャーナルについて

最終更新: 2026-08-01

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